久しぶりに医療系のお話をしようと思います。
これからの時期、花粉症が増えてくると思いますので、花粉症、つまりアレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎についてのお話です。
外部研修時に学んだことを簡単にお話しします。
花粉症はなぜ起こるのか
人間の体には抗原・抗体反応という働きがあり、ウイルスや細菌などの病原体や様々な異物(抗原)が侵入した時、対抗する物質(抗体)を作って体の外に排除をします。
しかし、防御システムの異常が発生し、本来は無害なものに対して過剰に反応し、自身の体に悪影響を及ぼす作用が働いてしまうことを言います。
アレルギーの症状
- アレルギー性鼻炎
- 気管支喘息
- アトピー性皮膚炎
- アレルギー性結膜炎
- 食物アレルギー
- 接触性皮膚炎
- 化学物質過敏症
などがあります。
花粉症と呼ばれるもので起きるものの代表として、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎が挙げられます。
アレルギー性鼻炎
ハウスダストやダニ、花粉などが原因で、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどを引き起こします。
アレルギー性結膜炎
埃や花粉などが原因で目のかゆみや充血などを引き起こします。
- アレルギーが原因で、目の結膜に炎症が起こったもの
- ゼリー状の目やにが出ることもある
- 原因の60〜70%が花粉と推定されている
アレルギーを起こす要因とは
アレルギーを引き起こすのに主な要因は2つあります。
一つ目はアレルゲン、もう一つはアレルギー体質です。
アレルゲン
主なアレルゲンはハウスダストやダニ、花粉だと言われています。
(私の場合はゴキブリでした。)
ハウスダストやダニは通年性と呼ばれるもの、花粉は季節性と呼ばれています。
花粉症を起こす主な植物
- ハンノキ
- スギ
- ヒノキ
- シラカバ
- ブタクサ
- ヨモギ
花粉症といえば代表的なアレルゲンはスギ、そしてヒノキでしょうか。
これからの時期はハンノキやスギが原因の花粉症が出てくる頃です。
暖かく晴れている日は飛散量が多く、雨の日は少ないと言われています。
アレルギー体質
人間にはアレルゲンに対する許容量というのが人それぞれ決まっていて、それが溢れてしまうと発症すると言われています。
許容量が多い人もいれば、少ない量で満杯になってしまう人もいるため、発症する人もいればしない人もいるという事が起きているわけです。
私が以前、アレルギー検査を行った際に植物に対するアレルギー反応は微量もありませんでした。
しかし、前職が美容師だったという事で、ヘアカラー剤でアレルギー反応が出るようになってしまいました。
そのため、現在私は髪の毛を染める事ができません。
アレルギー症状を増加させる原因と言われているもの
- 食事の欧米化
- 住まいなどの環境の変化
- 排出ガスなどの環境汚染
- ストレスの増加
- 遺伝的要素
などの説があるようです。
アレルギー性鼻炎を改善する薬
アレルギー性鼻炎を改善するためには内服薬・点鼻薬があります。
抗ヒスタミン成分(内服薬・点鼻薬)
- クロルフェニラミンマレイン酸塩
- カルビノキサミンマレイン酸塩
鼻の症状・・・くしゃみ、かゆみ、鼻水
局所麻酔成分(点鼻薬)
- リドカイン
鼻の症状・・・かゆみ
抗コリン成分(内服薬)
- ベラドンナ総アルカロイド
- ダツラエキス
鼻の症状・・・鼻水
血管収縮成分(内服薬)
- フェニレフリン塩酸塩
- プソイドエフェドリン塩酸塩
鼻の症状・・・鼻づまり
血管収縮成分(点鼻薬)
- ナファゾリン塩酸塩
- テトラヒドロゾリン塩酸塩
- フェニレフリン塩酸塩
- オキシメタゾリン塩酸塩
鼻の症状・・・鼻づまり
ステロイド成分(点鼻薬)
- プレドニゾロン
鼻の症状・・・鼻水、鼻づまり
アレルギー性結膜炎を改善する薬
アレルギー性結膜炎を改善するためには点眼薬があります。
抗ヒスタミン成分(点眼薬)
- クロルフェニラミンマレイン酸塩
目の症状・・・目のかゆみ
血管収縮成分
- ナファゾリン塩酸塩
- テトラヒドロゾリン塩酸塩
目の症状・・・充血
抗炎症成分
- リゾチーム塩酸塩
- グリチルリチン酸ニカリウム
- アズレンスルホン酸ナトリウム
- プラノプロフェン
目の症状・・・痛み、異物感
アレルギー症状改善薬の副作用
鼻炎用内服薬・・・アレルギー性鼻炎を改善する内服薬は全身への副作用が出やすく、持病がある方には使えない成分もあるので注意が必要。
→眠気、喉の渇きが起こる
鼻炎用点鼻薬・・・局所に作用するため、全身への副作用が出ることは稀だが、長期連用によって副作用が起こる場合がある。
→鼻粘膜の弱体化・薬剤性の鼻炎により症状が悪化する
販売上の注意点
- 卵アレルギー・・・リゾチーム塩酸塩は使用不可
- 緑内障、排尿困難・・・抗ヒスタミン成分、抗コリン成分は使用不可
- 高血圧、糖尿病・・・血管収縮成分は使用不可
- 心臓病・・・血管収縮成分、抗コリン成分は使用不可
※そのほか、甲状腺機能障害の診断を受けた方、むくみのある方も注意が必要です。
以上のことを頭に入れておき、私を含め登録販売者の方には適切な医薬品の販売を心がけていただきたいと思います。